夏期講習会☆オートクチュールビーズ刺繍
今年も7月20日~7月27日までオートクチュールビーズ刺繍の夏期講習会がありました。
パリオートクチュールクリエイターとして活躍さされている矢倉先生を講師に招き、
2,3年生を対象にその伝統技術「リュネヴィル技法(Lunevilleuse)」を学びました。
この刺繍はオートクチュールメゾンの長い歴史に培われた技術でとても繊細で芸術的な刺繍です。
ビーズ・スパンコール様々な糸を用いてかぎ針で刺繍をしていきます。
日本でもこの刺繍を学んだ人はとても少なく、なかなか体験することのできない
貴重な講習会でした。
↓一年目の課題です。ビーズ・スパンコール・ラメ糸で基本的な刺し方を学びます。
↓2年目の課題です。2年目は立体になり、コサージュを製作しました。
↓4年目の課題「とかげ」です。体を立体的に仕上げ、背中のスワロフスキーがポイントです。
↓6年目の課題です。シルク100%の刺繍糸でりぼんを刺繍しています。シルクの刺繍は光沢感と立体感がとても美しいです。
最後に矢倉先生と記念撮影です☆
オートクチュールビーズ刺繍とは主に「オートクチュール」メゾンのドレスのために培われた技術で、
自由な発想で発達してきた芸術的な刺繍です。
宮廷・貴族が華やかであった時代に盛んに生み出された豪華なドレス、
軍服などの刺繍に始まり、特定の上流階級の人だけが楽しんでいた「オートクチュール」の
衣装のために、常に新しいデザインが考案されてまいりました。
刺繍のデザインだけでなく、今でこそ手に入りにくいメタルや極小ガラスビーズ、
様々な色・サイズのスパンコールなど、材料が大変豊富であることも特徴といえます。
様々の材料がテクニックと合わさり無限のデザインが生まれ、使う材料によって、
ボリュームのある豪華なものから、柔らかなストールにするような軽やかな刺繍まで、
デザイン次第で様々な表現が可能になります。
材料にはシルクやレーヨン、メタリックの糸をはじめ、シュニール糸(ビロード状の糸)、
ラフィア、様々なビーズ、パイエット(平スパンコール)とキュベット(亀甲スパンコール)、メタルのテープやリボン・ブレ-ド等があります。
技法には大きく分けてマントゥーズ技法(Mainteneuse)とリュネヴィル技法(Lunevilleuse)があります。
マントゥーズ技法は、縫い針を使い布地の表から刺していく一般的に「フランス刺繍」と言われる技法で、リュネヴィル技法とは、1870年に始まった、布地の裏からかぎ針(クロシェ)で刺す技法です。
この技法により仕事の能率はあがり、見た目もきれいで正確な仕事が出来るようになりました。
また、リュネヴィル技法を用いることにより、縫い針の通らない繊細なビーズをつけることも可能に
なりました。このような特性から、よりバラエティー豊かな材料を使い、一層豊かな表現を持つ
デザインが次々に生み出されるようになりました。
§ かぎ針(le Crochet)
...これを用い、スピーディーに、正確に糸だけでなく、
スパンコールや、針の通らないくらい細かいビーズなどを刺すことができます。
極細のかぎ針状の針をホルダーにつけて使います。↓↓